好きだった。愛していた。
けど、それだけだった。
(僕は、君のために信念を曲げることも、全てを捨てることも できない。)
君がナナリーを思う気持ちほど、僕は君を思っていなかった みたいだ。
「ほら、死ねよ、ゼロ」
好きだった、愛していたはずの人の首に回す手に、僕は力を込める。
スザルル そして君は笑ったんだ 2007.07.14
軍務の途中、うつらうつらとしてしまっていた。
見ていた夢は幼き頃の、夏の日。
今よりも小さい僕と、最愛の彼と、僕にとっても妹みたいな彼女。
楽しかった?ああ、楽しかった。あの頃が一番、何よりも。けれど、
「ロイドさん、ある特定の記憶だけ消すことはできますか?」
笑って言う僕に、白衣に眼鏡の上司は興味深そうに笑った。
今でもあの頃の記憶が僕を縛りつける。
スザク+ロイド 思い出は宝箱の中に 2007.07.14
徒に手を伸ばした煙草。
煙草は嫌いだ。身体に悪いだけでなにも良いことはない。害ばっかりだ。
それでも僕は煙草を止めれない。
彼と抱き合ったあとは、愛し合ったあとは、これがなければ僕は気が狂いそうになる。
嫌いなはずの煙草を止めろと彼は言わない。ただ、悲しそうに笑うだけ。
僕が煙草を吸う理由を、彼はしっているようだ。
消したいのは、この身体に浸みこんだ君のにおい。
スザルル でも煙草も君も、止められないんだ 2007.07.14
君は綺麗だ。
だけど君はきれいじゃない。
シルクのような肌と真っ黒で艶のある髪。どんな高価な宝石にも劣らない至上の紫の瞳。
だけど、君のその細くしなやかな指は、手は、僕と同じ、人殺しの、手。
(綺麗だよルルーシュ。けど、きれいじゃない。だって君の手は僕と同じなんだ)
それを知ったときのこれ以上ないほどの幸福を、僕は忘れない。
スザ→ルル 染め上げる、アカ 2007.07.14
虚夢はいつでも虚無のまま。
未だに繰り返し見る幼い時の夢や彼と再会してからの時の夢は、あの頃は現実でも、今ではそれはただの虚夢。
僕は悔やんでいるのか?
反逆者を、ゼロを、ルルーシュを、この手で、殺したことを。
目を閉じれば最期の彼の顔。ああ、笑っていたな。
近くのナイフを手に取る。彼の遺物の銃を米神にあてる。
けれど、刺しても撃っても、僕は、死ねない。身体がそれらを回避する。
(ギアスの力は彼が死んでからも続くのか?)
それはない。現に他にギアスをかけられていた人たちは、その拘束が解けたではないか。
(そうか、これは彼が僕に残した、愛と言う名の、罰)
ああ、虚夢はいつでも虚無のまま。
スザルル 死ねる時はきっと、君が僕を愛した気持ち分の時間が終わる時
2007.07.14