ほわほわとしたまどろみのなか
ゆっくりと触れてくる愛しい人の手に頬を擦り寄せる。
気持ちいい。うっとりとしてしまう、その手のひら。

「ルルーシュ」

優しくて、媚薬のような、あまいこえ。
ちゅちゅ、と啄むようなキス。
どうしよう
すきすき だいすき。
もう、どうしようもないくらい、

「あいしてる」

スザクはほんわりと微笑んで、また、キスをひとつ 俺のくちびるに。




スザルル ベッドと朝日と、貴方のとなり 2007.08.23






(もうすぐ。もうすぐだ。急げ急げ。急ぐんだ、僕!)
縺れ始めた足を叱咤して、スザクは必死に走る。

「スザクっ!もういい、無理…しないでくれ」
「待っててルルーシュ!絶対、絶対助け出すからっ!!」

(あと少しだ。もうすぐ愛しいルルーシュを助け出せれる!)

『さーて残すところ…なぁんとあと20周!!囚われの我らが副会長、ルルーシュ・ランペルージを救いだせるか 枢木スザーーーク!!』
「いけースザク!!」
「諦めろ枢木!」
「スザクさん頑張ってくださーい!お兄様も頑張ってー!」

「えーと…これは、何?」
「あ!カレン!」
久しぶりに登校したカレンの目の前には、校庭に集まる全校生徒と会長の隣で椅子に縛られているルルーシュ。
そして、一周300メートルの校庭を走る、枢木スザク。
「あれはね、会長が暇だからって、スザク君が制限時間内に校庭100周して囚われのルルを助け出す、 ていうイベントを始めちゃって」
「ひゃ、ひゃくしゅうも…」
「うん。ちなみに30分以内にね」
「さんじゅっぷん!?」

『残り時間あと10分ー!!』

呆れかえるカレンの前には時を告げる会長とふたりのバカップルがいた。
(…残りあと10分でしょう。で、その前にあと20周だって言ってたから…!?それって分速…っ!?)


私はスザクを何か勘違いしてるとしか思えない。分速1200メートルってどうよ。

スザルル+α なんと5分後には無事ゴール! 2007.08.23






「スザク」
「はい、ハサミ」

「ねえルルーシュ」
「印鑑ならいま会長が持ち出しているぞ」


「あのですねリヴァルさん」
「はい、なんでしょうシャーリーさん」

生徒会室。最近、顔を出さなかった(スザクは出せなかったのだが)罰として2人に与えられたのは大量の書類。
彼ら(というかルルーシュは)嫌々ながらもそれらから一瞬たりとも目を離さず黙々と書類に取り掛かる。
そう、一瞬たりとも目を離さない。

「どうして最後まで聞く前に、しかも顔も見ないで相手の欲しいのがわかるんですか?」
「それはですねえ……俺にもわかりません」

聞くなよシャーリー。そうだねリヴァル。
そっとその疑問を胸にしまいこんだ2人でした。




スザルル+リヴァルとシャーリー いわゆるツーカーの仲ってやつです  2007.08.23






新聞部?ああ、はい。会長から話は聞いてます。
えーっと、僕なんかに何が聞きたいんですか?え?ルルーシュとのこと?
うーん…彼とは幼馴染です。…って答えじゃ駄目なんでしょうね(苦笑)
付き合ってるんじゃないかって?まあその辺はみなさんなご想像にお任せします(笑)
え?それならルルーシュの小さいときの話を聞かせてだって?無理です(ニコ!)
なんでかって?そりゃあ決まってるじゃないですか!
そんな昔のルルーシュを誰かに教えるなんてもったいないじゃないですか!(背筋が凍るほどの笑み)
やだなあ、そんな当たり前のこと聞かないでくださいよ。
あ。まさかこれ、ルルーシュにもインタビューするなんて言いませんよね?(全身から真っ黒なオーラ)
…………………(笑み+据わった目)
え?僕のプロフィール?
7月10日のかに座のO型です。身長はルルーシュより2センチ……低いです(半泣き)あ、体重はシークレットで(笑)
はい、今日はありがとうございます。おつかれさまでした。


以上、話題の転校生、枢木スザクくんにインタビューでした。
取材当時の臨場感を少しでも出すために(笑)などの表現を用いました。
尚、次回予定していた副会長ルルーシュ・ランペルージくんへのインタビューは中止となります。
なにとぞ察してください。   アッシュフォード学園新聞部一同

「ああこれ。発行されたんだ。ふーん…これで少しは牽制になればいいけどね」
「どうしたスザク。置いていくぞ?」
「あ!待ってよールルーシュ―!」




黒スザルル 報道魂が負けたとき 2007.08.23






は?俺にインタビュー?なんでいきなり…。は?会長に言っていた?そんなの聞いてないぞ俺は。
…まあいい。何でもいいから早くすませてくれ。
12月5日のいて座のA型。…て何でこんなことを言わなければならないんだ。
は?需要がある?そんなわけないだろう。俺の誕生日など知ったからといってなんの得があるわけでもないだろう。
なんでそこで溜息をつく放送委員。まあどうでもいいから早く終わらせるぞ。
す、すきなひと!?そ、そんなの聞いてどうするっ!!
…え?いるのかって?…っ!!そんなの、

ガラガラ ガッシャーン

「一体誰の許可をもらってこういうことをしているのかな?」
「く、枢木スザ…」

ピー

「あーえーっとルルーシュこれ、はいってるよね?うん、よし。えー全校生徒のみなさん。 放送委員の方が突然倒れてしまったので今日のお昼の放送はこれで終わりになります。それではまた明日!」

どうしたんだスザク?お前今日は軍じゃなかったのか?
え?なんか嫌な予感がして早く帰ってきちゃった。あ!もうご飯食べた?
いや放送委員に呼び出されたからまだだ。
じゃあいっしょに食べよう!(放送委員め…後でもう一回シメないとな)

「…チャレンジャーだな、放送委員」

そうポツリと呟いたのは新聞委員だった。




黒スザルル 勝てない報道魂 2007.08.23