男なんて、嫌いだ。ましてや女にだらしない男など、問題外だ。
そういう女も同意見で嫌悪の対象にしかなりえない。
義兄にすら触れられるのを嫌った。できることなら話したくない。視界にすらいれたくない。
原因はなんだろう。どうして俺はここまで男を嫌う。
恐らく、考えるまでもなく原因は関係上、父親に分類されるあの男だろう。
何人もの皇妃がいるにも関わらず母までも娶り、そのくせ母の最期には顔すら出さなかった、あの男が。
ああ、そうだ。男は、嫌い。怖い、のに。

「ルルーシュ」

どうして、俺の名を呼ぶ、この、枢木スザクだけは別、なのだろう。
名前を呼ばれれば自然と頬が緩む。優しく頭を撫でられれば頬が上気する。微笑みかけられれば心臓が跳ね上がる。
どうして。どうして。おかしいよ、俺。
スザク以外の男には、変わらないことなのに。

「ルルちゃんそれはね、」

会長が微笑んだ。俺は自分でも分かるくらい一気に頬を赤く染めた。




スザ←ルル それを恋っていうのよ 2007.09.01






「はいルルーシュ口開けてー」
「…」
「ほら、早く口開けて」
「…触るな」
「駄目だよほら。きついのは自分だろ?」
「…嫌いだ」
「大丈夫だよ。これ、会長さんから貰ったのだから」
「だけど…」
「はいはい口開けて―」
「んー!!」

「…あれなに、シャーリー」
「ルルのいつもの薬嫌い。ほら、ルル今日生理初日だから…ルル酷いほうでさ」
「それならどうしてスザク君が…」
「あれ、カレン見るの初めて?ルル凄く痛いのに絶対に薬飲まないからいつもスザク君がああやって」

「はい、よく頑張ったねー」
「頭を撫でるな子ども扱いするな!」
「じゃあ今夜大人扱いしていい?」
「っ!!今は駄目だということくらいお前は分かっているだろう、この変態!!」

「わざわざ口移しで薬飲ませてあげるんだよ。優しい彼氏でいいよね、ルル」
「え゛!?シャ、シャーリーは人前であんなことされて…いいの?」
「うーんそれはさすがに嫌だけどね」

未だ普通に繰り広げられる痴話喧嘩とそれに慣れ切っているクラスメイト。
あれ、スザク君が転校してきたのって最近よね、とは思わずにいられないカレンだった。




スザルル+α 慣れてしまうほど日常的 2007.09.01






「「コンテストに出ないかって?」」
「そう!『ドキドキ★アッシュフォード1のベストカップルは君たちだ★★』にルルーシュとスザクも参加しなさい!」

久しぶりにまともに学校に出たルルーシュとスザクに突きつけられた一枚のプリント。
それと同時にドアップでルルーシュの目の前に現れたのは生徒会長その人。
余談だが学年が違うだろう教室に戻れとツッコミを入れる者はこのクラスには誰もいない。
ルルーシュはそのプリント、まだ企画段階であるそれを鬱陶しそうに手に取り見て、そしてつき返した。

「文化祭にこんなイベントをするなんて聞いていませんよ」
「スザクが軍務に励んでいてルルちゃんがサボってる間に決めました!!」
「…会長たちがちゃんと企画運営するのなら構いませんよ」
「僕もいいと思いますよ。そういうイベント、盛り上がりますし」
「でしょ!だからあなたたちは生徒会代表ってことで出場しなさーーい!!」
「それは断ります」
「どうしてよルルーシュ」
「だってなあ、スザク」
「だよね、ルルーシュ」

企画を認めはしたが出場しないという2人にミレイは不満気に頬を膨らませて抗議の声を上げた。
そしてルルーシュとスザクはというと、お互い顔を見合せて、それはさも当然のことだというように、言った。

「「だって俺たち(僕たち)が出場したら審査するまでもなく優勝するじゃないですか」」



後日、『ドキドキ★アッシュフォード1のベストカップルは君たちだ★★』の企画書が無残にも原型を留めないくらいに 破かれた状態で生徒会室のごみ箱に入っていた。




スザルル+ミレイ だって無性に腹立ったんだもん 2007.09.03






下ネタ注意


あーはいはい新聞部ね。聞いてる聞いてる。ルルーシュとスザクのことでしょ?
オーケーオーケー任せなさい!このリヴァル様が彼らのことを教えましょう!!
あ、これ、絶対に俺が言ったってばらすなよ!マジで頼むからな!じゃないと…俺どうなるか…。
…よし、交渉成立な!
えーっと、じゃあまず最初の質問は?あーはいはいどこまで進んでるのかってね。
そりゃもう最後までやっちゃってるでしょ、スザクは!
あいつ普段は穏やかで人畜無害、って感じだけどルルーシュのことになるとまるっきり変わるからな。
ルルーシュに触る男は許さない、ましてやそういう意味で近づいてみろ!自分でも気付かないうちに殺されてるって!
独占欲強いからな、スザク。だって俺が生徒会の用事があるだけでも睨んでくるしさ。もう慣れたけどね。
てかさ、スザクって絶対絶倫だよな!ルルーシュ大変だろうな、あはは!
いま思ったんだけどさ、わざと中だしとかしてさ、ルルーシュ妊娠させて既成事実つくって名実ともにルルーシュは僕のもの! とか考えてそうじゃね?
あははははは!さすがにそこまでないか!ぎゃはははは、は…は……はハハコンニチハスザククン!

「よく動く口だねリヴァル。君のその口、僕が一生動かないようにしてあげようか?」
「っすみませんごめんなさい調子に乗ってしまいました赦してくださいごめんなさいもう二度と言いませんからっっっ!!」
「…新聞部も懲りないね。ああどうしよっか。まずは廃部からかな?そして次は…退学?」
「っ!!」

暴力の影には怯えません!一度は屈してしまいましたがそれでも我ら新聞部の名にかけていつか必ず報告 ……できたらいいなあ。(by新聞部)




黒スザク+リヴァルと新聞部 がんばる報道魂ルル子編 2007.09.03






え、新聞部ですか?時間…は、10分くらいなら大丈夫ですけど。はい。へ?ルルーシュとスザク君のことについて?
そんなこと、私じゃなくて本人たちに聞いたら…って確か何度かスザク君にボロボロにされてましたね、あなたたち。
そんな目に何度もあってるのにどうしてまだあの人たちのことを記事にしようとしてるんですか?
…はあ。確かに駄目だと言われたらもっと知りたくなるのは心理ですけど…。
確かにルルーシュは美人ですよね。彼女を記事にしたいとか彼女のことを知りたいという気持ちも分からなくはないけど…。
でもルルーシュにはスザク君っていう彼氏がいるじゃない。彼氏がいる子を狙うのはちょっと…。
…ごめんなさい。私は協力できないわ。
なんでって、だって私まだ命が惜しいもの。スザク君が女の子に手を出すとは思わないけど、ね。
でも確実にあなた達は酷い目にあうんじゃないかしら?

「酷い言い様だなあ、カレンさん」
「あら、スザク君…」
「でもさすがカレンさん!賢いですね。まあたとえ何かを話していても確かに女の子には暴力は振るいませんが… それ相当のことは覚悟してもらいますけどね」
「私は何も話してないわよ」
「大丈夫分かってるよ。……新聞部?」
「ひっ!!」

……その報道魂はすごいと思うけどね。
だけどさ、いい加減学びなさいよ。もう何度も枢木スザクに酷い目にあわされてるっていうのに…。
ああもうやだ。ディートハルトを思い出しちゃったじゃない。
それにあたしも取材したいって?げ、やめてよ本当…。

暴力には負けませんっ!決して、決して我ら新聞部は…決して…っ!!




黒スザク+カレンと新聞部 負けるものか報道魂ルル子編 2007.09.03